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逆流性食道炎

逆流性食道炎の症状と治し方|胸やけの原因から予防法までわかりやすく解説

食後に胸がムカムカしたり、酸っぱいものが込み上げてきたりする症状に悩まされていませんか?

これらの症状は、逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)という病気が原因かもしれません。

逆流性食道炎は、胃の中の酸性の消化液が食道に逆流することで起こる病気です。現代の日本では、食生活の欧米化やストレス社会の影響で患者数が急増しており、成人の約10~20%が経験すると言われています。

この記事では、逆流性食道炎の症状や原因、効果的な治療法について詳しく解説します。適切な知識を身につけることで、つらい症状から解放される道筋が見えてくるでしょう。

逆流性食道炎の主な症状と診断のポイント

典型的な症状を知っておこう

逆流性食道炎の最も代表的な症状は「胸やけ」です。胸の奥がヒリヒリと焼けるような感覚で、特に食後や横になったときに強くなる傾向があります。

次に多いのが「呑酸(どんさん)」という症状です。これは酸っぱい胃液が口の中まで込み上げてくる現象で、苦い味や酸っぱい味を感じることがあります。

その他にも、以下のような症状が現れることがあります。

みぞおちの痛みや重苦しさ、食べ物を飲み込む際の違和感やつかえ感、慢性的な咳や声のかすれなどです。これらの症状は、胃酸が食道や喉まで逆流することで起こります。

症状が現れやすいタイミング

症状は特定の状況で悪化しやすいという特徴があります。

食後30分から2時間以内に症状が強くなることが多く、特に脂っこい食事や刺激の強い食べ物を摂取した後に顕著に現れます。

また、横になったり前かがみの姿勢を取ったりしたときに症状が悪化するのも特徴的です。これは重力の影響で胃酸が食道に逆流しやすくなるためです。

ストレスがかかっているときや睡眠不足のときにも症状が強くなる傾向があります。

診断方法について

逆流性食道炎の診断には、まず詳しい問診が重要です。症状の内容や現れるタイミング、生活習慣などを詳しく聞き取ります。

確定診断のためには内視鏡検査(胃カメラ)が最も有効です。食道の粘膜の状態を直接観察し、炎症やただれの程度を評価します。

症状があっても内視鏡で異常が見つからない場合は「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」と診断されることもあります。これも治療対象となる重要な病気です。

逆流性食道炎が起こる原因とメカニズム

下部食道括約筋の機能低下

正常な状態では、食道と胃の境界部分にある「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉が、胃の内容物が食道に逆流するのを防いでいます。

この筋肉は普段は締まっていて、食べ物を飲み込むときだけ緩んで胃への通り道を作ります。しかし、何らかの原因でこの筋肉の機能が低下すると、胃酸が食道に逆流しやすくなります。

加齢とともにこの筋肉の力は弱くなる傾向があり、中高年に逆流性食道炎が多い理由の一つとなっています。

食道裂孔ヘルニアの影響

「食道裂孔ヘルニア(しょくどうれっこうヘルニア)」も重要な原因の一つです。

これは、本来お腹の中にあるべき胃の一部が、横隔膜(おうかくまく)の隙間を通って胸の中に入り込んでしまう状態です。

この状態になると、下部食道括約筋が正常に機能しなくなり、胃酸の逆流が起こりやすくなります。食道裂孔ヘルニアは肥満妊娠、慢性的な咳などが原因で起こることが多いです。

生活習慣と環境要因

現代社会特有の生活習慣も逆流性食道炎の原因となります。

脂肪分の多い食事は胃酸の分泌を促進し、また消化に時間がかかるため胃の中に長時間留まります。これにより逆流のリスクが高まります。

アルコールやカフェイン、炭酸飲料、チョコレート、柑橘類などは下部食道括約筋を緩める作用があり、症状を悪化させる可能性があります。

喫煙も胃酸の分泌を増加させ、食道の粘膜を傷つけやすくするため、症状を悪化させる要因となります。

ストレスは胃酸の分泌を促進し、また自律神経の働きを乱すことで消化機能に影響を与えます。現代のストレス社会が逆流性食道炎の患者数増加に関与していると考えられています。

その他の要因

肥満は腹圧を上昇させ、胃の内容物を食道方向に押し上げる力を強くします。BMI25以上の方は特に注意が必要です。

妊娠中も子宮が大きくなることで腹圧が上昇し、また女性ホルモンの影響で下部食道括約筋が緩みやすくなります。

一部の薬剤(降圧薬、気管支拡張薬、抗うつ薬など)も下部食道括約筋を緩める副作用があり、症状を引き起こすことがあります。

効果的な治療法と予防対策

生活習慣の改善が基本

逆流性食道炎の治療において、生活習慣の改善は最も重要な要素です。

食事面では、一度にたくさん食べずに少量ずつ数回に分けて摂取することが効果的です。胃への負担を軽減し、胃酸の過剰な分泌を抑えることができます。

就寝前3時間以内の食事は避けましょう。横になると重力の助けがなくなり、胃の内容物が逆流しやすくなります。

脂っこい食事、辛い食べ物、酸味の強い食品、アルコール、カフェインなどの摂取を控えることも重要です。これらは胃酸の分泌を促進したり、下部食道括約筋を緩めたりする作用があります。

姿勢と睡眠の工夫

日常の姿勢にも注意が必要です。前かがみの姿勢は腹圧を上昇させ、逆流を促進するため避けましょう。

睡眠時は上半身を15-20度程度高くして寝ることで、重力の助けを借りて逆流を防ぐことができます。枕を高くするだけでなく、ベッドの頭側を上げたり、ウェッジクッションを使用したりする方法があります。

左側を下にして横向きに寝る姿勢も、胃の構造上逆流を起こりにくくする効果があります。

薬物治療の選択肢

生活習慣の改善だけで症状が改善しない場合は、薬物治療を行います。

最も効果的なのは「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」という胃酸の分泌を強力に抑える薬です。オメプラゾールやランソプラゾールなどがあり、8週間程度の服用で多くの患者さんの症状が改善します。

「H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)」は胃酸の分泌を抑える別のタイプの薬で、PPIより作用は弱めですが副作用が少ないという特徴があります。

「消化管運動改善薬」は胃腸の動きを良くして、胃の内容物を十二指腸に送り出しやすくする薬です。胃もたれなどの症状がある場合に併用されることがあります。

重症例での外科治療

薬物治療でも症状が改善しない重症例や、食道裂孔ヘルニアが大きい場合には、外科手術が検討されることもあります。

「腹腔鏡下噴門形成術(ふくくうきょうかふんもんけいせいじゅつ)」という手術では、胃の一部を食道の周りに巻き付けて、逆流を防ぐ弁の機能を強化します。

近年では傷が小さく回復の早い腹腔鏡手術が主流となっており、適応があれば検討する価値があります。

長期管理のポイント

逆流性食道炎は慢性的な病気であり、完治は難しいものの、適切な治療により症状をコントロールすることは十分可能です。

定期的な内視鏡検査により、食道の状態を確認し、必要に応じて治療方針を調整します。

生活習慣の改善は継続することが重要で、一時的な改善では再発のリスクが高くなります。

薬の自己中断は症状の再燃につながるため、医師と相談しながら慎重に調整していくことが大切です。

まとめ

逆流性食道炎は現代人に増加している消化器疾患で、胸やけや呑酸などの不快な症状を引き起こします。

原因は下部食道括約筋の機能低下や食道裂孔ヘルニア、生活習慣の乱れなど多岐にわたります。

治療は生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて薬物治療を組み合わせることで、多くの場合症状の改善が期待できます。

症状に悩まされている方は、まず内科・消化器内科を受診し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。

早期の対応により、生活の質の向上と合併症の予防につながります。

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