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酒は百薬の長?|アルコールと心と体の正しい知識

[2026.03.31]

【はじめに】

「酒は百薬の長」「お酒を飲まないと眠れない」。
こうした言葉は今もよく聞かれます。

しかし残念ながら、現在の医学では、お酒を健康のために勧める根拠は乏しいとされています。

とくに近年は、少量の飲酒でも病気のリスクがゼロではないことが重視されています。

【アルコールと健康|“少しなら体にいい”はもう古い

昔は「少しのお酒は血流にいい」「長生きにつながる」と語られることがありました。
ですが今は、少量だから健康に良いと積極的に言える時代ではありません。

世界保健機関(WHO)は、がんとの関係では安全な飲酒量はないと示しています。

【休肝日とアルコール分解|毎日飲まないことが大切】

アルコールは、飲んですぐ完全に体から消えるわけではありません。

そのため、大切なのが休肝日です。厚生労働省も、毎日飲み続けないことを勧めています。
休肝日は「肝臓を休ませる日」であると同時に、1週間全体の飲酒量を減らすための日でもあります。

【アルコールと睡眠・メンタル|楽になるようで乱れやすい

お酒を飲むと眠くなるため、「寝つきが良くなる」と感じる方は少なくありません。
たしかに一時的に眠気は出ます。しかし、その後の睡眠は浅くなりやすいのが問題です。
夜中に目が覚める、早朝に起きてしまう、翌朝すっきりしない、という形で出やすくなります。

さらにアルコールは、気分転換になるようでいて、不安や抑うつとも深く関わります。
つまりお酒は、心を整える方法ではありません。一時的にしんどさをぼかしても、後で乱れを残しやすいのです。

【アルコールと身体疾患|肝臓だけでなく全身に影響する】

お酒の害というと、まず肝臓を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし影響は肝臓だけではありません。アルコールは全身の病気に関わります。

まず代表的なのが高血圧です。
厚生労働省の資料でも、少ない量でも血圧上昇のリスクが示されています。

高血圧は自覚症状が乏しい一方で、心筋梗塞や脳卒中の土台になる病気です。
飲酒量が増えるほど、こうした脳血管の病気の危険が高まります。

また、すい臓への負担も見逃せません。大量飲酒は急性膵炎や慢性膵炎の原因になります。
膵炎は強い腹痛を起こし、重症化すると命に関わることもある病気です。

さらに、がんとの関係も重要です。アルコールは国際的に発がん性がある物質とされています。
咽頭がん、食道がん、大腸がん、肝臓がんなど、複数のがんでリスク上昇が示されています。

「たばこほどではない」と思われがちですが、お酒もがんの重要な危険因子の一つです。

【飲酒と上手につきあうために|まずは量を見える化する】

お酒をやめるべきかどうかに迷う方も多いと思います。
まず大切なのは、ご自身の飲酒量を知っていただくことです。

目安になるのは「何杯飲んだか」ではなく、純アルコール量です。
たとえばビール500mL、度数5%なら、純アルコールはおよそ20gです。

厚生労働省は、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、
男性40g以上、女性20g以上を目安に示しています。

ただし、これは「ここまでは安全」という意味ではありません。
体質や年齢、持病によって影響は大きく異なります。

やめられないのは、あなたのせいじゃない

「お酒をやめたいのにやめられない。」「量を減らしたいのに減らせない。」
それは、だらしないからでも、意志が弱いからでもありません

アルコール依存は、気合いで解決する問題ではなく、治療が必要な状態です。

どうかご自身を責めないで、おひとりで抱え込まないでいただきたいのです。
まずはご相談ください。

【さいごに】

心と体の健康のためには、飲まないのが最も安全です。

お酒を楽しまれたい場合は、
量を決めること、毎日飲まないこと、休肝日を設けることが大切になります。

「少しなら体にいい」を手放していただき、
心と体を守っていただければと思います。

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