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感染性胃腸炎

感染性胃腸炎の症状と治療法|原因・予防・いつ病院に行くべきか

突然の腹痛や下痢、嘔吐に襲われたことはありませんか?それは感染性胃腸炎かもしれません。

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの病原体(びょうげんたい:病気を引き起こす微生物のこと)が胃や腸に感染することで起こる病気です。

冬場のノロウイルスをはじめ、年間を通じて多くの人が罹患する身近な病気でもあります。軽症で済むことが多い一方で、適切な対処を怠ると脱水症状や重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。

今回は、感染性胃腸炎の原因から症状、治療法、予防策まで、皆さんにとって有益なポイントを詳しく解説いたします。

感染性胃腸炎の原因と種類|ウイルス性と細菌性の違いを理解しよう

感染性胃腸炎の原因となる病原体は、大きく分けてウイルス性と細菌性の2つに分類されます。

ウイルス性胃腸炎の特徴

ウイルス性胃腸炎の代表格がノロウイルスとロタウイルスです。

ノロウイルス

ノロウイルスは主に冬場(11月から3月)に流行し、牡蠣などの二枚貝を生で食べることや、感染者の嘔吐物や便から二次感染することで広がります。激しい下痢、嘔吐がよくみられます。
感染力が非常に強く、わずか10~100個のウイルスでも感染が成立するため、家族内や集団での感染拡大が起こりやすいのが特徴です。

ロタウイルス

ロタウイルスは主に乳幼児に感染し、激しい下痢と嘔吐を引き起こします。便が白っぽくなることがあり、これは「白色便」と呼ばれる特徴的な症状です。
現在はワクチン接種により感染者数は大幅に減少していますが、依然として注意が必要な感染症です。


その他にも、アデノウイルスやサポウイルスなど様々なウイルスが胃腸炎の原因となります。

細菌性胃腸炎の特徴

細菌性胃腸炎は、主に夏場(6月から9月)に多く発生します。

代表的な原因菌には、サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157など)があります。

サルモネラ菌は鶏卵や鶏肉、豚肉などに含まれることが多く、加熱不足の食品を摂取することで感染します。

カンピロバクターは鶏肉に多く含まれ、バーベキューや焼き鳥などで十分に加熱されていない鶏肉を食べることで感染するケースが多く見られます。

腸管出血性大腸菌は牛肉に含まれることが多く、ハンバーガーや焼肉などで生焼けの牛肉を食べることで感染リスクが高まります。

細菌性胃腸炎の場合、ウイルス性と比べて発熱や血便を伴うことが多く、症状がより重篤になる傾向があります。

感染性胃腸炎の症状と診断|いつ病院を受診すべきかの判断基準

感染性胃腸炎の症状は、原因となる病原体や個人の体力によって様々ですが、共通する主な症状をご紹介します。

主な症状と経過

最も典型的な症状は、急激に発症する下痢、嘔吐、腹痛です。

下痢は水様便(すいようべん:水のような液体状の便)から始まり、1日に3回以上、重症例では10回以上に及ぶこともあります。

嘔吐は突然始まることが多く、特に感染初期に激しく現れる傾向があります。

腹痛は下腹部を中心とした痙攣性の痛み(けいれんせい:筋肉が収縮して起こる痛み)が特徴的です。

発熱は37~39度程度の中等度発熱が多く、細菌性の場合により高熱になる傾向があります。

症状の持続期間は、ウイルス性で1~3日、細菌性で3~7日程度が一般的ですが、個人差があります

危険な症状と受診の目安

以下の症状がある場合は、速やかに受診してください。

  • 血便や黒色便が見られる場合は、腸管に深刻な炎症や出血が起こっている可能性があります。
  • 高熱(38.5度以上)が続く場合や、意識がもうろうとする場合は重篤な感染症の可能性があります。
  • 脱水症状の兆候として、尿量の著明な減少、口の中の乾燥、皮膚の弾力性低下、めまいや立ちくらみなどがあります。
  • 特に高齢者や乳幼児、妊婦、糖尿病などの基礎疾患がある方は、軽症でも早めの受診をお勧めします。
  • 12時間以上水分摂取ができない状態が続く場合も、点滴による水分補給が必要になることがあります。

診断方法

医療機関では、症状の詳細な聞き取りと身体診察を行います。

必要に応じて血液検査で炎症反応や脱水の程度を確認し、便検査で原因となる病原体の特定を行います。

重症例では腹部CT検査や腹部超音波検査で腸管の状態を詳しく調べることもあります。

感染性胃腸炎の治療と予防法|正しいケアで早期回復を目指しましょう

感染性胃腸炎の治療は、症状を和らげる対症療法(たいしょうりょうほう:病気の原因ではなく症状を軽減する治療)が中心となります。

家庭でできる治療とケア

最も重要なのは水分補給です。下痢や嘔吐により大量の水分と電解質(でんかいしつ:体の機能に必要なナトリウムやカリウムなどのミネラル)が失われるため、こまめな水分摂取が不可欠です。

経口補水液(けいこうほすいえき:体に吸収されやすい水分と電解質を含んだ飲料)が最も効果的ですが、スポーツドリンクを薄めたものでも代用できます。

一度に大量に飲むと嘔吐を誘発するため、少量ずつこまめに摂取することがポイントです。

食事については、症状がひどい間は無理に食べる必要はありません

嘔吐が止まってから、おかゆ、うどん、バナナ、リンゴなど消化の良い食品から少しずつ開始します。

脂っこい食べ物、乳製品、カフェイン、アルコールは症状を悪化させる可能性があるため避けてください。

医療機関での治療

医療機関では、症状に応じて点滴による水分・電解質補給を行います。

吐き気止め整腸剤などの薬物治療も症状に応じて処方されます。

細菌性胃腸炎で重症の場合には、原因菌に応じた抗生物質(こうせいぶっしつ:細菌の増殖を抑える薬)が使用されることもあります。

ただし、ウイルス性胃腸炎には抗生物質は効果がなく、むしろ腸内細菌のバランスを崩して症状を悪化させる可能性があるため使用しません。

予防対策

感染性胃腸炎の予防には、以下の対策が効果的です。

手洗いは最も基本的で重要な予防策です。石鹸を使って30秒以上しっかりと洗い、特に指の間や爪の周りも念入りに洗ってください。

食品の取り扱いでは、肉類や魚介類は十分に加熱(中心温度85度以上で1分間以上)し、生野菜や果物はよく洗ってから食べましょう。

調理器具や食器の消毒も重要で、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)による消毒が効果的です。

感染者の嘔吐物や便の処理時には、使い捨て手袋とマスクを着用し、処理後は必ず手洗いとうがいを行ってください。

集団生活の場では、感染者は症状が改善してから48時間は他の人との接触を避けることが推奨されます。

まとめ

感染性胃腸炎は身近な病気ですが、正しい知識と適切な対処により、重篤化を防ぐことができます。

症状が現れた際は慌てずに水分補給を心がけ、危険な症状が見られる場合は速やかに受診してください。

予防には日常的な手洗いと食品衛生管理が最も重要です。

特に冬場のノロウイルス流行期や夏場の細菌性胃腸炎シーズンには、より一層の注意を払いましょう。

皆さんの健康管理に少しでもお役に立てれば幸いです。

体調がおかしいなと感じた際は、一人で悩まずにご相談くださいね。

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